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2022年04月08日

検索 廃仏毀釈2<泉小太郎伝説の実際(67)>

 恐怖に怯えながらも、さっそく、県立図書館に向かい松本地区における廃仏毀釈について調べました。司書さんに「松本地区の廃仏毀釈について知りたいのですが?」と確認すると早速検索していただき「廃仏毀釈物語 熊谷定義 著」を示してくれました。
長野県立図書館
検索 廃仏毀釈2<泉小太郎伝説の実際(67)> 

長野県立図書館は、長野県の資料については貸し出し不可なのですが、例えば「明治以前日本土木史」や柳田國男の「桃太郎の誕生」のような希少本でも簡単に借りられる素敵な図書館です。ここで、長野県の資料を幾度となくコピーしまくっていました。
 松本藩における廃仏毀釈のことの次第は、先程引用させていただいた内容でほぼ間違いないのですが、詳細を読むとこの戸田光則に対しての不信感(怒り)を感じずにはいられません。

 佐幕派(徳川幕府側)であった戸田光則は薩長の要請(当時は朝命)にも応えず、馬鹿にしていたといえます。それが薩長の勝利に終わり明治政府が樹立され、その際、叱られ謹慎させられるに至り、「戸田光則」は狼狽し右往左往します。
 そこから、保身のため、明治政府に媚び、信用回復をはかるため、神仏分離を拡大解釈し、廃仏毀釈を強行的に進めます。
 そこには財政的な問題もあったともいわれます。
 明治政府に睨まれた松本藩は、つぎつぎと出兵を命じられます

 「しかし、信用恢復の為には、過分な戦争協力や莫大な献金を強要されても従順たらざるを得ず藩財政は破綻に近づいていた。特に謹慎解除直後の三月末には関東出陣、続く衝鋒隊の飯山占領による飯山戦争への参加、四月末からの北越、東北への出兵等、多額経費は税収、献金で間にあわず藩札に続く藩札の発行であった。」(廃仏毀釈物語より)

 財政難により、経済混乱と社会不安に陥ります。波田での米騒動や、会田、麻績での富豪襲撃事件などが勃発し、この動きは民衆から士分にまで波及したため、信教政策として廃仏毀釈を行い、暴動を抑えようとしたとあります。

 このヒステリックとも言える廃仏毀釈は戸田光則ただ一人の保身のために行われたと言っても過言ではなく、そこには学問的思想的な純粋な発露は見当たらず、もし、なんらかの思想に基づいたものであれば、これ程悲惨で不合理な方法をとらなかったであろうと、「廃仏毀釈物語」の熊谷氏も述べています。

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Posted by 泉小太郎研究家 at 20:40│Comments(0)泉小太郎伝説の実際
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