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2022年04月12日

検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

さっそくグーグルマップを頼りに探索をはじめました。麓にある波多神社の駐車場に車を止め、息子と二人で自転車にのり山道を進みました。
脇には若澤寺という名の通り澤がながれます。通行する人はないものの地元の方が整備をしているため、要所要所に「あと2km」等の標識があります。
自転車を押しながら何度も後悔をしながら30分ほど登りました。
もう帰ろうかと思った矢先、ようやく到着の看板が。きちんと「信濃日光」とあります。
放光寺は確実に泉小太郎との関連地で「日光」となっていますが、この地はたまたま栄えた称号としての「日光」かもしれません。

若澤寺マップ
検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

ここからもうひと息登ると驚くべき風景が飛び込んできます。
検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

ボキャブラリーがなくて申し訳ありませんが、まるでラピュタのような風景が山の中に唐突に現れます。廃墟と化し一度自然に飲み込まれたあとではありますが、地形にその荘厳さが残されています。
 近い過去にここに栄えた伽藍があったことが偲ばれます。
 入り口に当時の絵図がありましたので、みてくださいこの山奥とは思えないほどの立派な寺院があったのです。

検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

この絵図の通りの地形がなまなましく残っており、当時の風景を体感すらできます。

検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

木が切られて整備されていますが、おそらく近年になって保存事業により木を伐採したと思われます。
結局ここでは、「信濃日光」という文字以外、「日光泉小太郎」あるいは「あまのひかる」との関連性を見つけることはできませんでしたが、これだけの大伽藍を、保身のためという何の信条にも結びつかない行いによって、明治初頭に破壊されてしまったのです。

おそらく当時の巡礼者は、この若澤寺に詣でたあとに、放光寺に向かったと想像しています。

ちなみに麓におりてくると「盛泉寺」を発見しました。あとでネットで調べてみると、この盛泉寺には、若澤寺の寺宝の一部が避難して伝わっているそうです。

検索 二つの「信濃日光」若澤寺(廃寺)<泉小太郎伝説の実際(71)>

 ここも「泉」とありますから、ひょっとしたら関連地かもしれません。
 廃仏毀釈の言い伝えどおり、ここにも「明智学校跡」の碑があり、戸田の狂乱のあと、寺の跡地が明治時代に学校になった名残だとわかります。
 
ただ、そう考えると古い風習をぶち壊してでも、新しい時代を迎えなければいけなかったとも考えられます。古い風習のガレキの上に近代化があったとすると、日本の歴史の中では必要悪であったとしたがるかもしれません。
しかし、松本が全国の中でも特異的な例だと客観的に知るにあたって、つくづく戸田光則のした行為は咎められてしかるべきだと、僕は断罪します。
この行為がなければこの泉小太郎はほかの民話がそうであったように、ひょっとすると戦後の物語の絵本化などのなかで、桃太郎や、浦島太郎、金太郎くらいの知名度にはなっていたかもしれず、auのCMに出られるくらいの知名度にはなっていて、観光資源にはなるくらいの存在であったのではないかと思うのです。 



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Posted by 泉小太郎研究家 at 19:13│Comments(0)泉小太郎伝説の実際
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