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2022年05月16日

コラム2 泉小太郎と道祖神 三九郎<泉小太郎伝説の実際(88)>

道祖神とは      ウィキペディアより
道祖神は、厄災の侵入防止や子孫繁栄等を祈願するために村の守り神として主に道の辻に祀られている民間信仰の石仏であると考えられており、自然石・五輪塔もしくは石碑・石像等の形状である。中国では紀元前から祀られていた道の神「道祖」と、日本古来の邪悪をさえぎる「みちの神」が融合したものといわれる

コラム2 泉小太郎と道祖神 三九郎<泉小太郎伝説の実際(88)>

道祖神は安曇野各地に多数点在しており、田園風景とあいまって安曇野観光のアイコンとなっています。
なぜ、こんなに安曇野には道祖神があるのでしょうか。


田沢神明宮の縁起には「道祖神は猿田彦大神なり 犀の神とも申す」という一文があります。すくなくとも江戸時代には道祖神信仰と「犀の神」信仰が習合されていた一つの証拠となります。

道祖神は「塞(さい)の神」と呼ばれていました。
それがこの地にもともとあった「犀(さい)の神」である泉小太郎もしくは犀龍信仰と習合されてひとつの信仰と発展していったのではないかとおもうのです。

ひょっとすると戦国時代以降 武田軍に攻め滅ぼされたあと 田沢神明宮の「犀信仰」が形を変えて「道祖神」というかたちで「サイ信仰」が継承されたのではないかと推察します。
もともとこの地域にはなんらかの大きな信仰形態が存在しており、武田軍がこの地域を壊滅させたあとも民間信仰だけは形をかえたり名前をかえたりして伝承されたのではないかと推察するのです。

「道祖神」といえば「三九郎」があります。
コラム2 泉小太郎と道祖神 三九郎<泉小太郎伝説の実際(88)>

正月飾りやダルマ、書初めなどを焼いて無病息災を願う伝統行事で 全国的にも似たような行事がありますが、「三九郎」と呼ぶのは、長野県の中信地方だけのようです。 県内の他の地域では「どんど焼き」などと呼ばれておりもともとは「道祖神の祭り」と言われています。

そうなると三九郎も「犀信仰」とかかわりがあるのかもしれません。
祭の季節はドントやきの正月の松飾りを焼く時期に集約されていますが、江戸時代以前の状況はわからないのがこの三九郎でもあります。

ここで僕は田沢神明宮縁起の中に描かれる、犀川のほとりにかがり火を灯す祭りを思い浮かべました。
もともと三九郎とは川の補修のために、雑木を取り除き燃やした川の整備のための祭りがもともとあり、それが他の地域で行われていた正月飾りを燃やす「どんど焼き」などと習合されて「三九郎」という形でこの地域に広まったしれないと邪推するのです。

今でも消防の関係から、川原で三九郎をすることがありますが、あれの発生も泉小太郎の命じた「年に一度犀川のほとりにたいまつを灯す」という川を整備する祭りから発生したかもしれないと思い浮かべながら見ると、犀川の祭りの面影を思い浮かべ楽しむこともできます。

謎とされている三九郎の名前も
「犀川労 さいかわろう」みたいなところから変名したかもしれません。(笑)

道祖神も 三九郎も実は江戸以前の歴史がわからないのが実情で(なぜなら武田軍に壊滅させられていますから)起源も発祥も不明です。この2つはこの地域を特徴づける他の地域とは異なる祭りであり、おそらくは 江戸以前(戦国以前)の古代の信仰が、形や伝承を変え今に残されたものでないかと思うのです。

また道祖神を夫婦像としているのが安曇野の道祖神の特徴ですが、ひょっとするとあれは白竜王(九頭子)と犀龍(泉小太郎の母)の姿ではないかとも想像を膨らすこともできます。

仁科濫觴記には あまのひかる(泉小太郎)の母親が仁品王のもとにつかえ
開発地(九頭子とひかるがいる場所)に何度も通うシーンがあり
九頭子と小太郎の母親(未亡人?)の恋物語を連想させてもくれます。

そう思うと道祖神の2人は九頭竜と犀龍の二人に見えてくるから不思議なものです。

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Posted by 泉小太郎研究家 at 20:03│Comments(0)泉小太郎伝説の実際
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