2022年04月23日
検索 銅戈(どうか)2<泉小太郎伝説の実際(82)>

もともとは中国大陸で武器として使われていて、日本に入る頃には、すでに祭祀用の用途しかなかったと思われます。
最初、石であったと思っていた犀の角でしたが、「犀の広鉾(ひろほこ)」という田沢神明宮の表記と、「犀信仰」と「青銅器」の関連を知るにあたり、犀の角は 青銅器の矛(ほこ)だとおもっていました。
しかし、海ノ口上諏訪神社(うみのくちかみすわじんじゃ)を発見し、「銅戈」を知ってからは、より「犀の角」に近いのは「銅矛」よりこの「銅戈」(どうか)ではないかと思うのです。
日本としては、武器として実用された経緯はありませんし、おそらく中世において「戈」(か)という道具を知っている人はこの地方にはいなかったと思われますので、「ほこ」とされても仕方がありません。実際、この「戈」と、「矛」は同一視される傾向があります。
銅矛の例 (東京国立博物館より)

銅戈の例(中野市柳沢遺跡出土)

銅戈(どうか)のほうが、「犀の角」にみえませんか
先に尖った形状と、多少斜めになる角度。
一度知ってしまうと「犀の角」にしか見えなくなってきます。
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